他のひとたちのことをすこし。
かいちゃんロベスピエール様のお顔があまりにも好みで、ポスターを見たときからまさに燃える太陽の矢が胸に飛び込んだ状態だったのですが、生で拝見してもそれはもう、蝋人形のような冷えたうつくしさがありまして。ひどく整ったお顔なのに加えてくちびるの色を抑えているので、麗しいミルクティーカラーの長髪も相まってほんとうによくできたドールみたいなんですよね。そういう絶対零度、とでもいうような美貌なのに表情はかいちゃんらしく熱くよく動くのが、またどこかアンバランスで面白いというのか、ロベピ様の人間らしさを感じます。マダムギロチンで下手バルコニーから民衆たちを見下ろしている瞳がなんだかガラス玉みたいで、純粋でまっすぐな狂気を感じて好き、とても。
それから、天寿さんフォークスの話をしていいですか。します。
フォークスさん、「色男」という表現があまりにしっくりきすぎて、ショーヴランがマルグリットにあの色男から〜って言うとき首がもげそうなくらい頷いています(気持ちだけ)。いやもう、ほんとうに色男としか言いようがないんだもの!色男、というと軽薄なイメージもあるけれど、フォークスさんはそのへんのちゃらちゃらした色男と違ってゆたかに落ち着いていて艶っぽくて、でもどこか茶目っ気もあって、間違いなく結婚してほしい男ナンバーワン。シュザンヌに出会う前は女遊びもそこそこしていそうだけれど(だってどう見ても女性の扱いに慣れているし第一めちゃくちゃかっこいいじゃないですか!)、彼女と出会った瞬間、魅力はそのままに女遊びからはすっぱりと足を洗っていそうな地に足のついたところがほんとうに素敵、大好き。結婚式でシュザンヌをダンスに誘うとき、実はずいぶん前から視線でロックオンしていたり、彼女を引き寄せる手がときどきすこし強引なくらいだったり、いたずらっぽく笑ってみせたかと思えば次の瞬間には真顔で手の甲に口づけていたり、もう、これだから色男は困るんです。
もちろん色男というだけでなく、ピンパーネル団にとっても頼れる存在なんだろうなというのがよく見てとれて、ほんとうにいい男っぷりに天井がありません。エルトンたちとチャンバラごっこをしているとき、笑いながらひょいひょいっと三人負かしてしまうのがかっこうよすぎるし、炎の中へでぎゅっとパーシーの手を握る仕草は力強くて、頼もしい。絶対に見られてはならない、なんて仰々しく言いながら真っ先に自分が手紙を見られてしまううっかりさんなところも可愛くて(盲目…)、どこまでも魅力的なひとです。「おやすみなさい」の声が深くておだやかで大好きだなあ。
最後に、電撃的に理解してしまったトップコンビ萌えのこと。もうめちゃくちゃ個人的な話なので斜め読みしてください。
なんというか、さゆみさんが舞台の上で誰かに寄せる「情」、ようするにわたしが見ていていちばんときめくものが、これからたったひとりのおんなのこに向けられ続けるのってほんとうにすごいことだと思うんですよね。しかもそれが、わたしも大好きなおんなのこ、あーちゃん。本気で目に入れても痛くないと思っていて、なんにもできなかった下級生の頃から、さゆみさんや真風さんと組むのをはらはらしながら愛おしく見守ってきて。さゆみさんがかわいがってレッスンやら何やら目をかけていたのも知っているし、ほんとうに、ずっと、心から望んでいた”She and her girl”なの。すごい。
おふたりは女性と女性なので、嫁とか結婚という考え方をわたしはしないし、オフでの仲良しエピソードがあったとして、もちろん可愛いなあとは感じてもそこのみにときめくというような萌えかたではないのだけれど、それでも舞台の上であんまりにもぴったりくるふたりが気持ちを寄せ合うのを観ていると、うーんトップコンビっていいなあ、と思ってしまうのです。だって、ケーキの上に並んだお砂糖菓子みたいな結婚式も、大階段を降りてきたさゆみさんが上手のあーちゃんに向けるやわらかな笑顔も、トップコンビじゃなきゃ見られない。
それになにより、デュエットダンス…さゆみさんがあーちゃんに初めて目を向ける瞬間の、見つけた!僕の運命のおんなのこ!って聞こえてきそうな表情がほんとうにほんとうに大好きなんです。もう目なんかなくなっちゃって、あの瞬間だけはきっと、世界でたったひとりあーちゃんだけを愛していて、見つめていて。実際のふたりがお互いをいちばん愛しているかとか、そんなことはどうでもよくて、デュエットダンスでそういう世界を見せてくれるトップコンビというものが稀有で尊くてたまらないという話。
ふたりが組んでくれてほんとうによかった。
まだ何度か観られそうですが、DVDの発売がとんでもなく待ち遠しい今日この頃です。
あ、ショーヴランのことはまた追い追い…長くなりそう。